指圧人生を振り返るのはまだ早いですが、
2017/8/29 カテゴリ: 店長の指圧物語
1990年、母から突然、仕事を継いで欲しいと言われました。母は、ビジネスホテル客室の出張専門マッサージ師。
私は社会人6年目。軽い気持ちで養成所に見学に訪れ、「今度の土曜日が入学試験だから、早く手続きして下さい」と言われ、あっと言うまに入学が決まりました。
1994年、日本指圧専門学校を卒業して、無事「あん摩マッサージ指圧師」の資格を得たものの、臨床経験は全くありません。
半年間、高島平ラドンセンターマッサージ室で臨床経験を積みながら、鍼灸マッサージ院を開業されている吉田先生の見習いに入りました。
1995年1月、同級生の小竿と文京区小石川で指圧屋シュークロースを開業。
【開業当初の治療アイテムといえば】
養成所の実技授業で習った「基本指圧」、ラドンセンターで身につけた「気持ちいい指圧」、鍼灸師の師匠から習った「漢方の見立て」そして怪しげな「O-リング検査法」でした。
養成所の老師曰く、若手指圧師は「基本指圧」を疎かにする。私も然りでした。
【時は流れ、10年から20年目。もうベテランの領域に入りました】
患者さんは、自覚症状の改善と、そこに至るまでの指圧の強さを求めます。(強い指圧が好きとか、痛い指圧はだめとか)
それに対して指圧師は、自覚症状を起こしている原因を探求して治療に当たります。
原因の探求に時間がかかりすぎたり、患者さんの求めとはズレる事が課題でした。
【指圧師になって20年を過ぎたあたりから】
患者さんの体を指圧しながら、「どこをどのように指圧」すれば良いか、バーチャルリアリティーの映像が目の前に現れるような感覚で分かるようになり始めました。
私には、この感覚を磨くための指標になる患者さんが二人います。
痛いのは苦手だけど、悪いとこを指圧するのに全体重をかけた指圧をしなければならない患者さん。
もう一人は、短い時間で結果を出したい患者さん。
お二人に共通することとは、指に力が全く入らない全体重をかける指圧。
指に力が入ると痛いし感覚は鈍ります。体重を指に入れないと刺激が伝わりません。
刺激とは、ハンドパワーも含みます。
ここで、25年前に老師が言ってた「基本指圧」ってこれなんだ!と気づいた次第です。